WBSC Baseball5

Baseball5日本代表

RULE公式 WBSC
Baseball5ルール

はじめに

「Baseball5™」 または「B5」は従来の野球・ソフトボールのアーバン型。基本的ルールなルールは野球・ソフトボールと同じだが、若い人を対象としたスピーディでダイナミックなスポーツ。「Baseball5™」はゴムボールさえあればどこででも楽しむことができる。

フィールド

インフィールド

内野は正方形で、各コーナーにベース(塁)があり、ベースとベースの間隔は13メートル(図1の黒)。
バッタースボックスは本塁(ホームプレート)のすぐ後ろ(図1)から、時計反対周り順に一塁、二塁、三塁となる。

図1 図1
cm ft
60cm = 2ft
100cm = 3.2ft
150cm = 5ft
300cm = 10ft
450cm = 15ft
500cm = 16.5ft
1300cm = 42.5ft
1800cm = 59ft
フェアゾーン

フェアゾーンは一辺が18メートルの正方形で、コーナーの一つが本塁になる(図1の黒と黄)。本塁の正面はノーヒットゾーンでフェアゾーンにはならない。

ノーヒットゾーン

本塁から4.5m先の一塁線上と三塁線上を結んだライン内に出来る逆三角形部分がファウルラインとなる。ユースの場合は本塁から3m先の一塁線上と三塁線上を結んだライン内となる。競技スペースに限りがある場合でも少なくともユースと同等の距離を取る。

バッタースボックス

バッタースボックスは一辺3メートルの正方形で、本塁でフェアゾーン外に交差する二本のファウルライン延長上の外側にある。本塁プレートの形は野球・ソフトボールと同じでよい。(図2参照)

図2 図2
ベース・塁

ベースの形とサイズは一辺60センチの正方形。一塁と三塁はベースの一辺がファウルラインに接し、フェアゾーン内に置かれる。野球やソフトボールのようにクッションのようなベースがない場合は、地面に直接ベースの形を描くだけでもよい。

一塁・ファーストベース

衝突(コリジョン)を避けるため、一塁にベースを「二枚」おき(図3)、野手はフェアゾーン内のベース上でプレーし、打者/ランナーはファウルゾーンにおかれたベースをタッチする。

ボールインプレイのもとで一塁に進塁するランナーはベースをタッチしなければならない。セーフになるためには、ベースもしくはその1.5メートル先までのセーフエリア内から出ないこと。(図3)セーフエリアからランナーが一歩でも出てしまった場合、タグアウトされることが可能になる。

図3 図3
フェンス

100センチの高さが理想だが、それぞれのリーグ/大会の運営によって既存の壁を利用したりグラウンドに線を引くなどしてローカルルールを設定してもよい。この場合グラウンドルールを予め決め、参加者らに事前に通知する。

ベースボール5のガバナンス原則

ベースボール5は世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が統括する公式野球競技である。このためベースボール5はWBSCの定款、条項、ルールや規定、ガバナンス原則などすべてに適用される。

国際大会について(WBSC定款第19条の全文は こちらより)加盟会員が統括するもしくは後援する地域からのチームや球団もしくはそのチームや球団の選手を1名以上含むチームが行うベースボール5の国際大会、試合・イベント等は、WBSC管轄のもと行われ、ゆえにWBSCが定める定款、部門規定、条項、ルール、規定などに従うものとする。

WBSCに加盟する国内連盟はその国の代表チーム選出の権限と、その国(地域)を代表してその国名(地域名)、旗、色などを使用する権利を独占的に有する。所有権について(WBSC定款第24条全文は こちらより)ベースボール5に関しWBSCは以下の所有権を有する。

  1. 「べースボール5(Baseball5)」の名称、WBSCが発行するニュースレター・刊行誌・年鑑・資料など、また「WBSC」や「B5」などの頭字語・略語、さらに今後創作される組織のロゴやブランドなど。
  2. ベースボール5の全カテゴリーを対象とした世界ランキング
  3. WBSC管轄地域で行われる代表選手出場を対象としたすべての公式大会。
  4. ベースボール5ワールドカップとその年齢カテゴリー大会すべて、さらにベースボール5ワールドツアーやベースボール5プロサーキットなど商標登録された大会やイベント。
  5. ベースボール5公式大会や試合、さらにそれに関連したそのほかのイベントなど。
  6. ベースボール5とその大会、活動、イベントに関連するロゴ、公式ルック、ブランディング。

試合準備

ボール

ベースボール5統括団体であるWBSCは公式球と用具の承認・ライセンスを有する。WBSCが公認する大会ではWBSCが認定するベースボール5公式球を使用すること。

ベースボール5の世界統括団体として、WBSCは公式球の承認、ライセンシングの権利を有する。ベースボール5の公式球は以下の仕様とする。

  • • 重量:84.80 g
  • • 直径: 66.4 mm
  • • 円周:208.4 mm
  • • バウンド高さ:76 cm(150 cmの高さから大理石の床に落下)
  • • 反発力:7.99 kgf(ボールの中心に向かって30%の圧力をかけた場合)
  • • 素材:天然ゴム100%(リサイクル素材可)
承認球
イニング

ベースボール5™の試合では両チームが攻撃と守備を交互に行って1イニングとなる。試合は5イニング制。

ワールドカップやユースオリンピックなど(これに限らない)、3試合シリーズなどの別の大会フォーマットになることもある。

チームの選手

試合でプレーする選手の数は常に各チーム5名。最低人数が揃わなかった場合、そのチームは試合に敗れ、試合は終了する。選手リストには8名まで選手登録することができる(3名控え)。アスリートは0から99まで好きな番号を選んでラインナップカードに名前とともに登録する。この番号はユニフォームにつけること。ユニフォームについては大会規定の資料を参照すること。

男女混合チーム

男女混合の大会では、ディフェンスの場合、男・女最低2名ずつ以上入ること。

アウトフィット

突き指防止用テーピングに関してはその種類によって試合役員(Game Officials)が許可したもののみ使用できる。その場合は試合開始前に試合役員(Game Officials)に知らせ、承認を得なければならない。ベースボール5では一般のアーバン型競技の服装と同じでよい。この公式大会出場のためWBSCは選手に対し規定を課すこと権利を持ち、その規定内容は大会マニュアルに記載される。膝当てや肘当ては防護用として着用可。

ラインナップ

各チームのコーチは試合開始の15分前までに試合役員の一人であるテーブルオフィシャルに名前を記入して署名したラインアップカードを提出する。

大会運営者は試合90分前までにラインアップカードの提出を求めることもできる。コーチが不在の場合、チーム監督、もしくはチームキャプテンが提出する。ラインナップカードのコピーを試合が始まる前までに相手チームに提出する。

公式ラインナップカード ラインナップカード

試合のルール

ホームチームがディフェンス、ビジティングチームのオフェンス)で試合が始まる。

守備チームの目的は攻撃側の選手3人から「アウト」をとり、攻撃側になること。アウトを3つとったら守備チームが攻撃チーム、攻撃チームが守備チームと交代する。

オフェンスの目的は得点を入れること。打者がボールを打った時、ディフェンス選手5人全てがフェア地域内にいなくてはならない。
ポジションは一塁・二塁・三塁・ショート(遊撃手)・中間野手(ミッドフィルダー)

ディフェンス(守備)チーム

打者がボールを打った時、ディフェンス選手5人全てがフェアゾーン内にいなくてはならない。

ポジション
  • • 一塁手
  • • 二塁手
  • • 三塁手
  • • ショート(遊撃手)
  • • 中間野手(ミッドフィルダー)

図4が典型的なフォーメーションとなるが、守備選手はそのチームの戦法などに従いそのつどポジションを変えることができる。

図4 図4
オフェンス(攻撃)チーム

ラインナップにはチームは1番から5番までのアクティブ選手の名前を記入できる。打順は選手が控えの選手と交代しない限り変更しない。交代した控えの選手は退いた選手の打順を受け継がなければならない。

打撃と打ち方

打者はバッタースボックスに入るとき、「使用する予定の手」を挙げなければならない。(手を挙げて打つ意思を相手に示す)

ボールは「手のひらか拳」で打つ、または叩かれなければならない。打者が打ったボールは、十分な勢いで外野フェンスまで到達しなければならない。

※U-15カテゴリーの場合においては、打者が打ったボールは、1塁、2塁、3塁を接続するラインを通過し、外野へ到達しなければならない。

このルール改正により、下記の場合は「アウト」となる。
・守備の選手が触れていない打球が外野フェンスに到達しなかった場合

反則打球

ノーヒットゾーン内で打球が最初にバウンドした場合(フィールドの項「ノーヒットゾーン」参照)

15歳以下の部門では選手は反則打球を打ったり、ファウルボールになった場合、もう一度打席に立つことができる。

図5 図5
得点/ポイント

得点(ポイント)は攻撃チームの選手の一人が一塁、二塁、三塁、本塁の順に進み、かつこれに触れた場合、その都度1点が記録される。

アウト

守備チームは各イニングで相手側攻撃チーム3人からアウトをとれば、守備チームが攻撃チームと入れ替わる。

守備側の「アウト」のとり方
  • • 走者が目指す塁を触球(ボールを保持した状態でタッチ)する
  • • 打球がグラウンドにバウンドする前にその打球を捕球する
  • • 塁上にいない走者を触球(タグアウト=手にボールを保持した状態でタッチ)する
  • • 打者が一塁に到達したが、セーフエリアの外に出てしまい、ディフェンダーにタグアウトされる
反則行為によって攻撃側の選手が自らアウトとなる場合
  • • 打撃するときにバッタースボックスのラインの一つに触れてしまった場合
  • • 打球がファウルゾーンに飛んだ場合*
  • • 自分達に向けて打球を打ってしまった場合
  • • 打撃しようとして打ち損なった場合
  • • 意図的にボースを打つ振りをした場合
  • • 打撃順を守らずべつの打者の打席で打撃した場合**
  • • 打者がボールを打つ前に走者がベースを離れた場合
  • • 進塁中、走塁中のチームメイトを追い越した場合
  • • 2名以上の走者が同じ塁にいてタッグされた場合、打撃順で後の選手が「アウト」となる
  • • 塁に到達する時や、タグアウトを避けようとしてスライディングをした場合

*野球やソフトボールとは違い、ベースボール5では打球が最初にバウンドした時点でそのボールがフェアボールかどうかが決まる。
• ファウルゾーンで最初にバウンドした=打者アウト
• フェアゾーンで最初にバウンドした=ボールインプレー

*ベースボール5では野球やソフトボールと違い、ボールの最初のバウンドでヒットボールがフェアかそうでないかが決まる。
• ファウルゾーンでバウンドした場合=打者はアウト
• フェアゾーンでバウンドした場合=ボールは生きている

**打順を間違えて打った場合、守備チームは次の打者が打席に立つ前に試合役員(Game Officials)に知らせなければならない。この場合、正しい打順の打者がアウトになり、その後は次の打者から打順通りに試合を再開する。次のバッターに変わる前に守備側が試合役員( GameOfficial)に指摘しなければならない。

スライディング行為の禁止
Baseball5ではスライディングが禁止されている。
選手がタグ(タッチ)を回避するためにスライディングした場合、打者もしくは走者はアウトになる。

注: 走者はできる限り守備選手と衝突しないようにする。走者が衝突を避けることができたのに衝突が起こったと審判が判断すれば、アウトになる。

ボールデッド

打球がコート外の守備不能なところまで飛んだ場合、試合は中断され、以下の通り試合が進む。

  • • 守備がだれもボールに触らなかったら、各走者は1個の進塁ができる(2個の進塁はできない)。
  • • 打球が守備の一人にあたって(エラーにはならない)場外に飛んだ場合、各走者は1個の進塁ができる(2個の進塁はできない)。
  • • 守備エラー(悪送球や捕逸)によりボールがコート外に飛んだ場合、各走者は2個の進塁ができる(打者は二塁へ、一塁走者は三塁へなど)エラーのコールと打者の2個進塁は審判の判断で決まる。
  • • 審判がオブストラクションをコールした場合ボールデッドになる(各走者は1個進塁する)。
二死満塁の場合

二死満塁となって三塁走者の打順が回ってきてしまった場合、各走者が1個進塁して、三塁の選手が打席にたち、ピンチランナーが一塁に立つ。チームは5名の選手しかいないので、そのイニングで最初の選手がアウトになった場合一塁のピンチランナーになる。打順は変わらず守らなければならない。

第1イニング
  1. ポールがベースヒット。無死、ポール一塁。ジェインが打席に立つ。
  2. ジェインがベースヒット。無死、ポール二塁。ジェイン一塁。マイクが打席に立つ。
  3. マイクがベースヒット。ポール三塁。ジェイン二塁。マイク一塁。無死。スティーブが打席に立つ。
  4. スティーブがフライアウト。ポール三塁、ジェイン二塁、マイク一塁。一死。キムがバッターボックスに立つ。
  5. キムがフライアウト。ポール三塁。ジェイン二塁。マイク一塁。二死。ポールが次の打者だが三塁にいる。

そこで、ポールがバッターボックスに立つ。ジェインが三塁、マイクが二塁に進み、スティーブ(このイニングで最初にアウトになった)がピンチランナーとして一塁に立つ。

例:ラインナップ
1番:ポール、2番:ジェイン、3番:マイク、4番:スティーブ、5番:キム

インターフェア

審判(Game Official)が走者が守備プレーを妨害したとみなした場合、その走者はアウトとなる。

オブストラクション

試合役員(Game Official)が打者が走塁を妨害された場合、ボールデッドとなり、走塁が行われたと見なされて全ての走者が進塁する。

タイム

選手はインプレーが終わっている時点でタイムを要求することができる。試合役員(Game Official)が許可している間はボールインプレーとなる。

スポーツマンシップに反する行為

フィールドの内外で選手、コーチ、チームマネージャーなどいかなるメンバーがスポーツマンシップに反する行為をしたと試合役員(Game Official)が判断した場合、該当する人物は試合から最低1試合退場させられる。

選手交代
戦略的交代
攻守交代の時にどちらのチームも選手を交代することができる。補欠選手は一度しか交代できないので、一旦退いた後にまたリエントリーすることはできない。先発選手は自分の打順が回ってきた時にのみリエントリーできる。
負傷による交代
選手が負傷した場合はいつでも選手の交代ができる。負傷して退いた選手は試合に戻ることはできない。試合が3試合シリーズの場合、負傷した選手は全てのシリーズで戻れない。

試合の終了

5イニング終了した時点で、一方のチームが他方のチームより得点が高ければ試合が終了する。ビジターチームがが5イニングの攻撃を終え、その時点で後攻のホームチームの方が得点が高ければ、ホームチームの勝利で試合が終了する。3試合シリーズの場合は、2試合を先に勝利したチームが勝利となる。

タイブレーク

試合が同点の場合延長戦に入り、どちらかのチームが相手チームより得点が高くなるまで続ける。

  • • 最初の延長イニングでは走者一塁から始める。
  • • 2回目の延長イニングでは走者一塁と二塁から始める。
  • • その後は打順を変更せずに走者一塁、二塁、三塁で始める。
コールド規定(マーシールール)

一方のチームが3イニング終了時点で15点、4イニング終了時点で10点以上リードしている場合コールド規定で試合が終了する。5イニング表で10点以上リードした場合も試合が終了する。

免責事項

このルールブックに記載されていない事柄に関しては試合役員(Game Officials)が最終判断を下すものとする。
無断転用禁止。世界野球ソフトボール連盟の書面による許可なしに、コピー、録音などいかなる方法(現在存在する情報集積システムや電子メモリー、また将来発明されるかもしれないいかなる手段)でも、公式WBSCベースボール5ルールブックのいかなる部分を複製したり転送したりしてはならない。